cue シートの埋込

cue シートとは

多くの人は音楽ファイルを MP3 などに圧縮する場合、1 曲ごとに 1 つの音楽ファイルに分割しています。しかし、その場合 CD に含まれるギャップの情報は失われてしまいます。そのため、その圧縮音源を再生した場合には CD の作成者が意図した通りには動作しないことになります。完全ではなくなります。

どうすれば良いでしょうか。分割しなければ良いのです。1 曲ごとに 1 つの音楽ファイルではなく CD 1 枚ごとに 1 つの音楽ファイルです。

そのままでは CD 1 枚が 1 曲になってしまって曲の頭出しができなくなります。そこで cue シートです。cue シートとは音楽ファイルの目次のようなものです。1 曲目は何分何秒から、2 曲目は何分何秒から開始といった時間情報や曲名などの情報を記載することができ、これを参照することで曲の頭出しや曲名の取得ができるようになります。

外部 cue シートと内部 cue シート

cue シートと音楽ファイルは通常別々のファイルですが FLAC や TAK では音楽ファイルの中に cue シートを埋め込むことができます。internal cue-sheet とも呼ばれますが、ここでは内部 cue シートと呼ぶことにします。拡張子が cue のファイルは外部 cue シートと呼ぶことにします。

外部 cue シート方式では cue シートを中継して音楽ファイルを参照するため、曲名などの情報を書ける領域は cue シートだけです。cue シートには限られた項目しか使えないため、楽曲情報を記載するにはかなり制限がありました。

しかし cue シートを埋め込み、内部 cue シートとした場合には、直接音楽ファイルを参照できるため音楽ファイルの Metadata に楽曲情報などを記載することができます。そこには曲ごとの作曲者、演奏者、ディスク番号、総ディスク数が記載でき、MP3 などで使われる ID3 と高い互換性を持たせることができます。例えば、foobar2000 でエンコードした MP3 等を iTunes で再生させると通常は Album Artist の欄に何も表示されませんが、これも表示させることができるようになります。詳細は「Album Artist を Band へ」を参照してください。

内部 cue シートのメリット

  • 使えるタグが増える (iTunes との互換性)
  • ファイル数が減り Media Library 読み込みの時間が短くなる。(foobar2000 0.9.6 では Media Library の読込が高速化されたそうなので、このメリットはなくなったかもしれません)

内部 cue シートのデメリット

  • 内部 cue に対応しているソフトは少ない (foobar2000 と Squeeze シリーズくらい) (ただし、内部 cue と外部 cue は併用でき、内部 cue に対応していないソフトには外部 cue を読み込ませれば問題なく再生できるため、実質的なデメリットではない)

log も埋め込むのか

log を埋め込むと foobar2000 のデータベース (database.fpl) に log も読み込まれてしまい、データベースが無駄に大きくなってしまいます。かといって音楽ファイルと同じフォルダに log を保存していると Media Library 読み込みの時間が長くなってしまいます。log はどこか別の場所に保存しておきましょう。私は音楽ファイルは D:/data/music に、log と cue シートのバックアップ等は 7z に 圧縮 して D:/data/music_cue に保存しています。

flacTGF の欠点

flac に cue を埋め込む際に flacTGF は非常に便利です。ただし flacTGF では Unicode の cue を埋め込むための命令が用意されていないため UTF-8 の cue を埋め込むことはできません (flacTGF_b15 で確認)。

バッチで cue を埋め込む

Unicode の cue を埋め込むためには metaflac.exe にコマンドラインで命令を与えるしかありません。埋め込む度にいちいち、コマンドを入力していては面倒です。そこでバッチファイルです。バッチファイルに複数の処理を記載しておけば、以後はバッチファイルを実行するだけで同じ処理を行うことができます。

なお UTF-8 という文字コードには BOM つきと BOM なしの 2 種類があります。ソフトによってはこれの違いが原因で文字化けが発生してしまいます。cue シートの文字コードを UTF-8 にする場合はソフトによって BOM を使い分けましょう。
 foobar2000 (外部 cue シートの場合) は BOM つきです
 Daemon-tool や metaflac は BOM なしです

metaflac は BOM なし UTF-8 にしか対応しないため foobar2000 で使用した cue シートを埋め込む前には BOM を除去する必要があります。BOM の除去に Code2Code を使いますので事前にインストールしておいてください。

UTF-8 の cue を flac に埋め込むバッチ set-cue_utf8.bat

秀丸を起動する  [ファイル(F)] メニュー   [新規作成(N) Ctrl+N]    下記のように入力して set-cue_utf8.bat という名前で保存する。

以後は set-cue_utf8.bat を実行するだけで cue を埋め込めます。 set-cue_utf8.bat を実行する前に set A=Webern\test の部分を set A=Stravinsky のように書き換えること

埋め込んだ cue を抜き出すバッチ (mfind) show-cue_mfind_utf8.bat


埋め込んだ log を抜き出すバッチ (mfind) show-log_mfind.bat


全てのタグを除去するバッチ all_remove.bat


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