石鹸作り第 2 回目
思ったようにいかない
12 月 15 日未明、液体石鹸第 2 号を製作しました。あらかじめレシピと手順を作成してから作業に取りかかったのですが、製法と材料が変わったため手順を修正せねばなりませんでした。
いくつか修正しましたが一番は泡立て器を使うようにしたことです。最初にアルコールを全部入れてしまったせいで粘度が下がりすぎ、油がサラサラ。加熱しないせいもあるでしょうが一向に鹸化が進まず、ずっと油がサラサラのまま。こりゃまずいと思って昔ドンキで 1,480 円で買った泡立て器を出しました。泡立て器で強力に攪拌しても全然反応しないので「まずい、失敗したか」と慌ててオリーブ油を投入したらすぐに固まってきました。ココナッツ油とパーム油だけできっちり鹸化させてからオリーブ油を投入しようと思ったのですが失敗してしまいました。もう少し待てば良かった。
以上の課題をふまえてレシピと手順を下記の通り文書化しました。
液体せっけんのレシピ (公開草案)
各油脂の鹸化価
油脂 | 鹸化価 |
---|---|
オリーブ油 | 190.5 |
ココナッツ油 | 253.5 |
パーム油 | 198.2 |
鹸化価とは 1 g の油脂を鹸化するために必要な水酸化カリウムの重量を mg 単位で示したものです。純度 85% の水酸化カリウムを使う場合には 0.85 で割返す必要があります。
オリーブ・ココナッツ・パーム液体石鹸のレシピ
材料 | 量 |
---|---|
ピュア・オリーブ油 | 290 g |
ココナッツ油 | 60 g |
パーム油 | 40 g |
水酸化カリウム希釈用の精製水 | 200 g |
エタノール | (120 ml) 95 g |
苛性カリ (鹸化率 90%) | 82.8 g |
せっけん素地希釈用の水 | 適量 |
精製水の代わりに 3 分間煮沸した湯冷ましでも良い。
手順
1 準備
窓を全開にして換気を良くします。この時、子供やペットが入れないようにしてください。材料の計量もすませておきましょう。
2 固形の油脂を湯煎にかける
固形の油脂を湯煎して溶かす。38 ℃ くらいまで加熱します。温度はすぐにあがってしまうので注意。これと同時進行で作業 3 に移ります。
3 水酸化カリウムを溶かす
水酸化カリウムを耐熱カップに入れ、そこに水を注ぎます。温度計でかき混ぜ完全に溶かします。ここで発生するガスを吸わないように注意。完全に溶けたら少し放置して 38 ℃ まで落とします。
追記
国際化学物質安全性カード によれば水酸化カリウムには水を注いではならないようです。希釈する時は必ず水の中に水酸化カリウムを徐々に加えるようにしましょう。ご注意ください。
4 水酸化カリウム溶液を溶かした油脂に投入
3 を 2 に投入します。しばらく攪拌し全体が均質になったら 1/3 量のエタノールを投入し、泡立て器で撹拌しながら湯煎で 38 ℃ を維持します。エタノールの計量はさきほどまで水酸化カリウムが入っていた耐熱カップで行います。こうすることで水酸化カリウムを残すところなく使い切ることができます。湯煎とはいっても温度が下がったときだけ火をつけるようにし、それ以外は火を止めお湯の余熱だけで保温するようにします。
5 オリーブ・オイルを投入
4 がカスタードクリーム状になったらオリーブ・オイルと残りのエタノールを投入します。先ほど同様エタノールの計量は耐熱カップで行います。38 ℃ を維持しながら、ペースト状になるまで攪拌し続けます。
6 保温
火から下ろしたらタッパー等の容器に移し新聞紙とバスタオルで包んで保温します。ストーブの前などに置いておくと良いでしょう。我が家のストーブの上はちょうど 39 ℃くらいなので、私はそこに裸で置いています。1 日待ったらせっけん素地の完成です。できあがりは栗きんとんのようにねっとりしています。
7 希釈
必要な分だけのせっけん素地を計量しコップなどに入れます。その約 2 倍の重量の精製水を投入し、軽くかき混ぜます。せっけん素地はできるだけ表面積が大きくなるように練ると溶けがよくなります。ゴミが入らないようにラップをして一晩待ちます。翌朝まだ溶け残っていたらもう一度軽くかき混ぜもう一日待ちます。pH を計測し弱アルカリ性なら液体せっけんの完成です。
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