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蚊の殺し方を科学する

2007 年 5 月 4 日 金曜日

飛んでいる蚊を殺す場合

基本は片手でひっぱたきまましょう。両手で挟むようにつぶす殺し方が散見されますが、これはあまり賢い方法ではありません。一見、両手の速度が足しあわされることで素晴らしい速度で蚊を叩きつぶすことができそうですが、そううまくいきません。

両手を最高速でたたき合わせた場合、ざっと見積もったところ時速 200 km 以上でぶつかり合うことになります。この衝撃にあなたの手は耐えることができません。皮ははがれ骨は砕けてしまうかもしれません。そこで脳では無意識に手をかばいます。そのため両手を使った場合、最高速のまま叩きつぶすことは事実上不可能です。

また両手の平をあわせるという動作は実は高度な技術です。この動作のためには高度な空間把握はもとより両手の強調という作業も必要になってきます。さらに手に与える衝撃をできるだけ少なくするために速度も抑えなければなりません。脳では高度な演算にリソースが消費されてしまい、充分な反応速度を発揮できません。それでも蚊を殺すことはできるでしょう。

しかし 100% ではありません。恐らく成功率は 20% 以下、場合によっては 10% を下回ってしまうでしょう。

片手でひっぱたく方法はどうでしょうか。

この方法は片手の速度しか使えませんが両手の協調が不要であり、また手をかばう必要もないため最大で時速 160 km 以上の速度で蚊を追尾できます。 また体の向きなどによる制約も少ないため実に 80% 以上の確率 (我が家比) で蚊を撃墜できます。

ただ注意してもらいたいことが。この方法では蚊に伝わったエネルギーはほとんど空中に逃げてしまい蚊を殺せる確率は 20 ~ 30% ほどです。残りの 70 ~ 80% の蚊はどうなるか。

気絶するのです。格ゲー用語で言うと「ピヨる」。ピヨってる時間はおよそ 1 分ほど。この間に飛んでいった蚊を見つけ出し殺害しなくてはなりませんが、これはそんなに難しいことではないでしょう。蚊を即死させないので部屋や手を汚す心配もありません。1 分を過ぎると復活した蚊は森に帰ろうとするので確実に見つけましょう。

留まっている蚊を殺す場合

手はゆっくりと蚊に近づけ、だんだん加速させ最後に最高速に達するように振ります。ギリギリまで手を近づけたところで一気に振り抜きます。

蚊をつぶすような叩き方だと無意識に手をかばってしまい、これまた最高速が出ません。蚊を空中に放り出すようにひっぱたくのが良いでしょう。このとき手は減速させないように。手を近づける際に手を減速させてしまうと手よりも先に風が蚊に到達してしまい気づかれてしまいます。等速からの加速を基本とすること。

蚊の観測 月例報告 (4 月度) 上旬 0 中旬 1 匹 下旬 0

特記事項
5 月 1 日にはアブラゼミが 1 匹観測されました。

関連記事 2007 年 10 月 27 日素早く、安全、清潔に殺虫する


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  • コメント

    2007 年 5 月 4 日
    時速計算は机上計算でしょうか? 実測でしょうか? 当社には手の運動速度を測る測定器が あります。 一度測定されると面白いと思います。 実は驚くほど遅いです。
    プロ 2007 年 5 月 5 日
    興味深い測定器をお持ちですね! できることなら一度計測してみたいです。 速度は机上の空論です。 野球選手のランディ・ジョンソンが時速 160 km のボールを投げるらしいので「最大で時速 160 km 以上」としました。 今考えてみるとたたき合わせる方は使う筋肉が全然違うので時速 200 km は出ないかもしれません。

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