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鉛筆再発見

2010 年 5 月 17 日 月曜日

芯ホルダーという筆記用具をご存知ですか? 芯ホルダーは鉛筆の芯を使った筆記用具です。

およそ 2 年ほど前にデザイン関係の企業に勤める友人と打ち合わせをした時のことです。その友人は変わった筆記用具を使っていました。

ぱっと見るとシャープペンシルそのものですが、よく見ると芯が非常に太い (2 mm) し、仕組みもシャープペンシルとは異なっています。通常、シャープペンシルは軸尾を押し込むと一定の長さだけ芯が繰り出されます (ノック式) が、彼の使っていた筆記用具は軸尾を押し込むと芯が完全にリリースされるようになっていました (ドロップ式)。空中で軸尾を押し込むと芯はたちまち地面に落ちてしまいます。

「何だ、それは!?」

「チェコ製のペンだよ。本郷にスコス (scos) という文房具屋があってそこで買ったんだ。お尻のキャップが削り器になってて……ほら、こうやって芯を削れるんだぜ。」

それが私の芯ホルダーとの出会いでした。私はちょっとしたカルチャーショックを受けたと同時に激しい物欲に駆られました。聞けば価格もお手頃。でも、よく考えてみると私は鉛筆 (以下シャープペンシル等を含む) は使いません。職業柄、大量に文字を書きますがそれはすべてボールペンです。必要のないものを買っても仕方ないのでその筆記用具は諦めました。

言うまでもないことですが、日本の義務教育では鉛筆が推奨されているため、ほとんどの人が最初にもつ筆記用具は鉛筆です。普通は何の疑問も持たずにそのまま鉛筆を使い続けます。私も高校生まではそうでした。

しかし、大学時代にボールペンでの筆記を要求されるようになり、しばらくボールペンを使っているとボールペンの良さに気がつき、ボールペンしか使わないようになりました。

鉛筆で書かれた文字は色が薄く、しかも退色しやすいので判読しにくいことがあります。特にコピーをするときにこの特性が顕著に現れます。 一方、ボールペンではそのようなことはありません。常に一定の濃さで書き続けることができます。ボールペンで書かれた文字は消せないという意見もありますが、そもそも文字を絶対に消さなくてはならない状況というのは少ないと思います。大抵は二重線や×印で訂正すれば済みます。その方が、圧倒的に早いのです。仮に、必ず消さなくてはならない場合であっても修正テープを使えば事足ります。

何となくボールペンの常用に抵抗を覚える気持ちは理解できますが、実際にしばらく使ってみるとそうした抵抗感はいつしか消えるはずです。例えば、赤ペンなんかは大抵ボールペンですが「消せないから赤ペンは使わない」という人は少ないと思います。

しかし、私も観念して鉛筆を使わなくはならない状況に陥りました。ある試験を受けろとの業務命令が下ったのですが、その試験では鉛筆以外の筆記用具の使用は認められていません。ボールペンを机上に出すことすら許されません。しかし、私のペンケースに鉛筆は入っていません。

そこで、思い出したのが冒頭の筆記用具です。

早速、本郷のスコスに行くとやはりあの製品がありました。彼が使っていたのはコヒノール (Koh-i-noor) の Versatil でした。軸の色種が豊富で迷います。Versatil はプラスチックの軸ですが同社の製品で金属軸の物もあります。どちらも芯は 2 mm で通常の鉛筆の芯と同じ太さです。

久しぶりに鉛筆を使ってみると中々素晴らしいものがあります。まず、筆圧を変えるだけで濃淡が変わる。面を変えると筆記幅が変わる。鉛筆の良さを再発見しました。ボールペンがデジタルなら鉛筆はアナログですね。どちらが良いというものではなくて用途に応じて使い分けるのが良さそうです。

そうしてしばらく、コヒノールの 5608 を使っていましたが、クリップがないのが不便に感ぜられてきました。私のペンケースでは短くてクリップのないペンは隠れてしまって非常に不便です。

調べてみると同モデルでクリップ付きを発見。早速、購入しました。しかし、しばらく使っているとどうにも短い。やはり使いづらい。

そこで今度は本格的に調べてみました。こうした筆記用具を芯ホルダーと呼ぶことをここで知りました。

とりあえず、デザインが気になったものをを片っ端から買ってみましたが最終的に行き着いたのがカランダッシュ (CARAN d'ACHE) 社の フィックスペンシル (Fixpencil) 77 です。ステッドラー (STAEDLER) 社の ステッドラーの 925 25-20 とも迷いました。前者は軽くて芯研器付きなのですがドロップ式、後者はノック式ですが芯研器もありませんし重い。デザインはどちらも申し分ありません。しかし、ドロップ式であることを除けば他の全ては Fixpencil 77 が優れていると感じ、Fixpencil 77 を選択しました。特に持ちやすさは非常に優秀です。

最近、私は年賀状のイラストを自分で描くようにしています。去年はボールペンで牛を書き、今年は筆ペンで虎を書きましたが、どちらも濃淡表現には苦労しました。来年は Fixpencil 77 で書くことになりそうです。


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