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室内ばきのすゝめ

2006 年 6 月 17 日 土曜日

あなたは職場や学校、自宅等の室内で何をはいていますか?

やはり靴でしょうか? ちょっと待ってください。靴の寿命を考えるなら室内で靴をはくのは得策ではありません。

革靴は湿度に弱いですがあなたが革靴をはくとき内部の湿度は 100% に達しています。サンダルであっても皮膚と触れる部分 (すなわち足裏のほぼ全体) の湿度は 100% です。日中、勇気を出して革靴を脱ぎ捨てるなら、あなたの革靴の寿命は 2 ~ 3 倍になります。そう、あなたの革靴は一生モノになります。

靴は脱いでいるが靴下で生活している? それも思慮深い選択とは言いがたい。靴下はその名の通り靴をはくときだけ着用すべきです。室内を靴下のみで行動する場合には靴下は汚れてしまうし摩耗を早めてしまいます。場合によっては滑って転んで頭部を強打し知恵を一生失うかもしれません。何よりフォーマルな装いがくずれ、あなたの知的なイメージは著しく損なわれてしまいます。

素足が最高であることに間違いはありません。悠然とした存在感は全ての装いに完璧な調和を与え、開放感と爽快感があなたを包みます。しかし、あなたは凍てつく視線に耐えられないはずです。しばらくは耐えられたとしても近い将来心臓発作で死にます。しかも素足では水虫をうつされる危険があります。もしくはあなたがうつしている方かもしれません。ただの水虫ならまだいい。爪水虫に感染した場合、あなたは治療に数年を費やすでしょう。

スリッパや上ばきに代表される室内ばきはあなたに最良の結果をもたらしてくれるかもしれません。室内ばきに死角はありません。卓越した機能がもたらす洗練されたデザインは官能的ですらあります。各社から数々の魅力的な室内ばきが発売されています。それら全てを紹介したらキリがないが、一つあげるとしたら「布わらじ」があります。

わたしは 2 ~ 3 年ほど前から布わらじを採用していますが快適この上ありません。布わらじは特にこの季節に最適化されています。簡単なので自作をオススメしますが、忙しいあなたは通信販売で手にすることもできます。一足 3 千円 (高い!) くらいだ。

自作の際はできるだけ番手の少ない (太い) 綿素材を使用したい。細い綿は柔らかいが吸湿性に劣ります。やはり布わらじは吸湿性を最優先してほしい。

わらじはサムライ御用達だけのことはあって確かなグリップと開放感があります。そしてサムライ達が絶滅した現代、わらじは素材をワラから布に換え、土との決別を代償に吸湿性を得ました。

進化は止まりません。何とこの夏、ゴム引きされた布わらじが各社からリリース。更なるグリップを勝ち得たゴム引き布わらじ、室内にここまで愛されたはき物は他にありません。もちろんゴム引き布わらじなら外出も可能です。自作ユーザー用のゴムも販売されています。

このパーフェクトな室内ばきはこのシーズンにこそ履いてほしい。

室内ばきをすすめるのは機能面の理由からだけではありません。

靴を脱ぎ裸足で済むところをあえて室内履を履く……これが「一手間」だからです。手間だから省くのではありません。手間だからこそ実践するのです。人間を人間たらしめ、リッチでオイリーな生活をもたらしてくれる、それが「一手間」です。

エビチリを作るときは確かに油通しは面倒です。しかしどうでしょう。油通しをしないエビチリにみずみずしさと弾むような食感は備わっているでしょうか?

否。

油通しをしないエビチリにそのような魅力が備わることはありません。もっと重要なことは一手間を惜しんだ料理に愛情は感じないということです。

しかし室内ばきはリスキーでもあります。注意すべきは室内ばきに対する世間の認知度が低いところ。後ろ指をさされないためにも場の雰囲気は慎重に読まねばなりません。

大学時代、わたしは校舎内をスリッパで行動していたために後輩たちの嘲笑の的となったことがあります。もしあなたの先輩が職場で室内ばきをはいていたら、それは OK サインです。

もしもあなたが外回りや店舗勤務なら迷うことはない。オフィスワークへと異動願を出しましょう。

さぁ、室内ばきライフを謳歌しようではありませんか!


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