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自作自転車の前照灯

2012 年 2 月 7 日 火曜日

自作ロードバイク (自転車) のパーツ紹介。前照灯。

吟味に吟味を重ねた結果,選ばれたのは自転車用ライトではなく汎用の LED ヘッドライト (登山などで使用する頭部につけるライト) でした。

選択のポイント

自転車の前照灯に要求されるのは明るさ,小ささ,軽さです。

明るさ

あまり暗いと速度を過小評価されるため,右直事故 (交差点で,直進車に対抗する右折車が衝突する事故) が発生する危険性が高まります。また,暗い夜道を照らすためにも充分な明るさが必要です。欲を言えば,原付の前照灯と同じ明るさの 1,000 ルーメンは欲しいところですが,最低でも 100 ルーメンは欲しいところです。

明るさの種類

明るさの単位はルーメン,カンデラ,ルクスの 3 種類があります。簡単に説明すると,ルーメンは光源から出る全ての光の量。カンデラはある一点から見て光源がどれだけ明るいか。ルクスは照らされた面がどれだけ明るいか。ルクスとカンデラが容易に計測計算できる一方,ルーメン値を測定するためには積分球が必要であり,メーカーにとってはコスト増になります。しかし,光源の明るさを示すのはルーメンとカンデラですが重要なのは光束を意味するルーメン値です。カンデラは光源から出る光を一点に集めれば上がる数値であり,実用上はあまり意味がありません。ルーメン値もそれだけでは照明器具の特性は分かりませんが,カンデラよりはよほど有用です。ルーメン値を記載しないメーカーは照明にうといか,良心的ではないか,やる気がないメーカーですので,そうしたメーカーの製品は購入の選択肢に入れる必要はないでしょう。

サイズ

あまり前照灯が大きいとロードバイクのスマートなシルエットが損なわれてしまいますので小ささも重要です。それからサイズと関連して前方投影面積も私は重視します。電池の軸方向に光軸が向いているタイプだとどうしても自転車全体の前方投影面積が大きくなってしまいます。前方投影面積は少なければ少ないほどスマートです。しかし,バッテリーの軸方向と垂直に光軸が向いている [ZebraLight] H600 ならハンドルバーに隠すことで前方投影面積をほとんど増やすことなく設置でき,スマートなシルエットを維持できます。また,[ZebraLight] H600 にはヘッドバンドが付属しておりヘッドライトとしても使用することができ,登山や硫黄島の壕見学等で重宝するでしょう。

重さ

軽さが身上のロードバイクにおいては前照灯においても軽さが要求されるのは言うまでもないでしょう。

[ZebraLight] H600 仕様
社名ZebraLight (アメリカ)
パーツ名H600
明るさと
持続時間
750 lm (2.3 時間 *), 420 lm (2.4 時間), 270 lm (4 時間),
170 lm (7 時間), 65 lm (18 時間), 21 lm (50 時間),
2.8 lm (280 時間), 0.1 lm (80 日)
* 750 lm は最初の 3 分のみ。以後は 420 lm。
パナソニック NCR18650 (2,900 mAh) での公称値。
実測値は 電池の紹介ページ に記載。
配光ホットスポット 12°,周辺光 80°
バッテリー18650 x 1 本
材質Aluminum 7075-T6
防水性能IPX8 (2 m, 30 分)
保護機能2.7 V カットオフ
公称重量39 g
実測重量34.80 g, 18650 込みで 81.29 g
公称サイズ外径 24.2 mm, 長さ 99 mm
実測サイズ外径最大 24.2 mm, 外径最小 20.05 mm, 長さ 98.9 mm
送料込み
購入価格
直販で 89 ドル (約 7,000 円)
(入手先一覧と製品サイト)

ZebraLight の工場は中国にあります。直販サイトで購入すると DX の商品と同様に中国からの封筒で到着します。[ZebraLight] H600 は製品サイトでは黒に見えますが実際の色は明るい灰色です。全く黒には見えません。チタニウムシルバーとでも表現すれば伝わるでしょうか。

他の中国製のライトにあるような貧弱な作りではなく,実に精度良く作られています。高いだけのことはあります。筐体経由で通電するためバッテリーのネジを少しでも緩めるとスイッチを押しても点灯しなくなります。カバンの中での点灯防止用に便利です。ネジのきつさがちょうど良いので少し緩めておけば,カバンの中でネジが締まってしまうことは絶対にありません。

また,バッテリー容量が少なくなると自動でライトが一段階暗くなるのでバッテリーの寿命が分かりやすくなっています。更に,2.7 V を下回ると過放電防止機能により消灯しますので安全です。

[ZebraLight] H600 の明るさのレベル

[ZebraLight] H600 の明るさの切り替えはかなり面倒です。説明の便宜上,メインレベルとサブレベルという言葉を使います。混同しないように注意してください。まず,H600 にはハイ,ミディアム,ローの三段階のメインレベルがあります。それぞれのメインレベルにサブレベル 1 とサブレベル 2 の 2 つのサブレベルがあります。ハイのメインレベルのサブレベル 1 を H1 と表現すると,H1, H2, M1, M2, L1, L2 の 6 段階あることになります。

各段階の明るさ
 サブレベル 1サブレベル 2
ハイ750 lm (3 分間のみ)

420 lm (2.3 時間)
1420 lm (2.4 時間),
270 lm (4 時間),
170 lm (7 時間),
4 Hz ストロボのいずれか
ミディアム65 lm (18 時間)21 lm (50 時間)
ロー2.8 lm (280 時間)0.1 lm (80 日)

H2 は 4 つの中から選ぶことができます。4 Hz ストロボ (毎秒 4 回点灯) の明るさは 750 lm か 420 lm のどちらかだと思います。

[ZebraLight] H600 の操作方法

消灯時からの操作方法
操作動作
ショートクリックハイで点灯
ロングクリックローで点灯
連続短間隔クリックメインレベル切り替え
(ハイ→ミディアム→ロー→ハイ……のサイクル
ダブルクリックならミディアムになる)
点灯中の操作方法
操作動作
ショートクリック消灯
ロングクリック押し下げている間,メインレベル切り替え
(ハイ→ミディアム→ロー→ハイ……のサイクル)
ダブルクリック現在のメインレベルのサブレベル切り替え
ハイで 6 連続
ダブルクリック
からの
ダブルクリック
H2 を切り替え
(170 lm → 270 lm → 420 lm → ストロボ →
170 lm ……のサイクル)
H2 が 170 lm の時に 7 回ダブルクリックをすると
270 lm になります。8 回目で 420 lm になります。
9 回目でストロボ。10 回目で 170 lm に戻ります。
ダブルクリックとダブルクリックの間隔はゆっくり
で構いません。

記憶

優秀なことに H2 の設定及び各メインレベルのサブレベルは電池を外しても記憶され続けます。ミディアムをサブレベル 2 にしたら,電池を外した後にミディアムにするとちゃんと M2 になります。

なお,この操作方法は [ZebraLight] H600w はもちろん [ZebraLight] SC600 や [ZebraLight] SC600w でも同じです。ZebraLight の他のライトもほとんど同じ操作方法のようです。

2012 年 11 月 6 日追記

2012 年 10 月下旬にフロストガラスによる 90 度照射タイプかつ色温度 4,400 K の [ZebraLight] H600Fw も購入しました。重量は 35.09 g でした。

2014 年 5 月 8 日追記

2014 年 5 月上旬に [ZebraLight] H600Fw Mk II も購入しました。実測重量は 39.43 g でした。LED が [Cree] XM-L から [Cree] XM-L2 に変更されたことにより,最大照度が 970 lm になりました。また,筐体の大型化により最大照度の 3 分制限はなくなり,PID 制御になりました。熱くなると出力制御が行われます。暗くなるのか消灯するのかは不明です。うまく冷却すれば最後まで H1 (970 lm) を維持できるようになったということです。操作方法や明るさレベルも変更されているので下記に示します。なお,アルマイトも少々変わっていました。今までは薄い灰色でしたが,もっと黒くなりました。薄めのガンメタといった具合。かっこよくなりました。同時期に購入した [ZebraLight] H600w Mk II は 39.89 g でした。

[ZebraLight] H600Fw Mk II と H600w Mk II の明るさのレベル

H600Fw Mk II の各段階の明るさ
 サブレベル 1サブレベル 2
ハイ970 lm (PID, 2 時間)590 lm (PID, 2.5 時間),
313 lm (3.9 時間),
142 lm (11時間)
ミディアム61 lm (30 時間)28 lm (66 時間),
10 lm (172 時間)
ロー3.5 lm (16 日)0.4 lm (2.5 ヶ月),
0.06 lm (4.6 ヶ月),
0.01 lm (5.5 ヶ月)
ビーコンストロボ0.2Hz ビーコン (ロー), 0.2Hz ビーコン (H1),
4Hz ストロボ (H1), 19Hz ストロボ (H1)
H600w Mk II の各段階の明るさ
 サブレベル 1サブレベル 2
ハイ1,020 lm (PID, 2 時間)620 lm (PID, 2.5 時間),
330 lm (3.9 時間),
150 lm (11時間)
ミディアム65 lm (30 時間)30 lm (66 時間),
11 lm (172 時間)
ロー3.5 lm (16 日)0.4 lm (2.5 ヶ月),
0.06 lm (4.6 ヶ月),
0.01 lm (5.5 ヶ月)
ビーコンストロボ0.2Hz ビーコン (ロー), 0.2Hz ビーコン (H1),
4Hz ストロボ (H1), 19Hz ストロボ (H1)

上記公称点灯時間は [ZebraLight] ZL631 (パナソニックの 3,100 mAh) を使用したときの値です。

[ZebraLight] H600Fw Mk II と H600w Mk II の操作方法

Mk II の消灯時からの操作方法
操作動作
ショートクリックハイで点灯
ダブルクリックミディアムで点灯
トリプルクリックビーコンストロボで点灯
ロングクリックローで点灯,そのまま長押しで→
ミディアム→ハイ→ロー……
Mk II の点灯中の操作方法
操作動作
ショートクリック消灯
ロングクリック押し下げている間,メインレベル切り替え
(ハイ→ロー→ミディアム→ハイ……のサイクル)
ダブルクリックサブレベル切り替え
(サブ 1 → サブ 2 → サブ 1 →……)
ビーコンストロボ時もこの操作で
周波数と明るさ切り替え
メインで 6 連続
ダブルクリック
(合計 12 クリック)
設定モードに移行。
ダブルクリックでサブ 2 内の明るさを切り替え。
希望の明るさになったらショートクリックで
消灯と同時に設定終了。

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