マスカテル・フレーバー
「今まで飲んでいたダージリンは何だったんだ!?」今朝いれたダージリン・ティーを飲んだ時につい漏れた言葉です。
良いダージリン・ティーだけが持つとされるマスカテル・フレーバー。聞いたことはあっても体験するのは初めてでした。文字通りに解釈するなら「ぶどうのような香り」なのですが、私は「ふかしたサツマイモの香り」だと感じました。それもむせ返るような強い香りです。
初めて、カフェ・バッハでコーヒーをいただいたときと同等の感動を覚えました。しかも、その感動がプロの提供したものではなく自分でいれたものによるというのがすごいところです。
しかし、今までに飲んだダージリンにはなかったのにどうしてこのお茶にはこのようなマスカテル・フレーバーが備わっているのでしょうか。そもそも、本当に同じダージリンなのかと疑いたくなるほどに異なります。
飲食物の世界では事故によって思わぬ傑作が生まれたという例が数多く存在します。
例えば、貴腐ワイン。ワインはブドウから造られる果実酒ですが、貴腐ワインは収穫前のブドウが病気にかかってしまうことにより生まれます。通常のワインとは異なり異常に甘くて桃で造られたジャムを思わせるようなデザートドリンクです。同様に収穫前のブドウが凍結することにより生まれるアイスワイン。これも貴腐ワインのような味わいです。他にも、ブルーチーズや納豆なども代表例にあげられるでしょう。
こうした失敗作だと思ったら実は傑作だったという、言わば鬼にコブをとられた飲み物はワインだけの専売特許ではありません。お茶の世界にもあります。
かつては害虫とされていたウンカやティリップス。このとても小さい虫たちは茶葉にくっついてそのエキスを吸います。エキスを吸われた箇所は黄色く変色してしまうそうです。この虫達が大量発生すると茶葉全体が丸々黄色くなってしまうこともあり、こうした茶葉は昔は捨てられていたそうです。しかしこの茶葉がとてつもない香気を発します。
この香りこそがマスカテル・フレーバーなのだそうです。こうした茶葉は人為的に作り出すことができないので、それほどは市場に出回らないのだそうです。なるほど、それで今までに体験できなかったのですね。それに、そもそも私もほとんどアールグレイしか飲まないというのも大きいかもしれません。
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ただ、リンク先を見てもらえれば分かるようにこのお茶の持つ香りはマスカテル・フレーバーだけではないようです。
台湾の東方美人というお茶も同様のマスカテル・フレーバーを持つそうですので、次は東方美人を注文してみて、マスカテル・フレーバーというものを突き止めてみたいと思います! 今から楽しみです!
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