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液体せっけんの無水エタノールをグリセリンで代用

2009 年 1 月 24 日 土曜日

今回のテーマは 2 つ。鹸化促進のための無水エタノールをグリセリンで代替できるか。液体せっけんにパーム油は必要なのか。

鹸化は油と水酸化カリウムの反応です。その水酸化カリウムは水に溶かしてから油と反応させます。ところが水と油は混じりません。何もしないと水酸化カリウム溶液と油の接触面積は小さいままなので鹸化はあまり進みません。

そこで、両者の接触面積を大きくするために撹拌するわけです。その点、エタノールは水を溶かしこむ性質と油を溶かしこむ性質を持っています。そのため、エタノールを添加すると水と油が混じりあっという間に鹸化が進むわけです。

ただ、エタノールがせっけんに残留すると使用感が悪くなるので全て揮発させる必要があります。何ともったいないことでしょう。それならグリセリンも水も油も溶かしこむ性質を持っていますのでグリセリンをエタノールの代わりに使えないかと考えたわけです。

試しにやってみましたが全然ダメですね。いくら撹拌しても 3 層に分離するだけでいっこうに鹸化が進みませんでした。中間層などは細かいゼリーが無数に浮遊しており、明らかに失敗です。もしかしたら、エタノールは触媒としての役割もあるのかもしれません。パーム油なしで泡立ちがどうなるかは分からずじまいですね。

と思ったら。

どう廃棄したらいいか分からず保温もせず放置していたところ、翌朝には水分がかなり揮発したせいか粘度があがってました。おやおや。もしやと思って撹拌してみたらみるみるうちに層はなくなり、きれいに混ざっていつもの素地のようになりました。その後、丸 3 日しっかり保温したところちゃんと素地らしくなりました。

希釈すると多少細かいゼリー質が浮遊しているものの、こしとってやれば充分使えそうです。いつもよりも濃度が高いので希釈濃度を上げてちょうど良い感じでした。ただ、この製法で作ることはもうないでしょう。

液体せっけんにパームは必要ない

パーム油にはせっけんに固さを与える、泡もちを良くするという 2 つの役割がありそうです。もちろん、液体せっけんに固さは必要ありません。ただ、泡もちの観点から配合していたのですが、実際のところパーム油を配合しないとどうなるのでしょうか。

今回の液体せっけんは泡立ちも泡もちも問題ありませんでした。液体せっけんにパームは必要ないようですね。ただし、泡工房の使用が前提です。


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