自作自転車のサドル
自作ロードバイク (自転車) のパーツ紹介。サドル。
サドルも同素材であれば重量と振動吸収性はオフセットの関係にあり、軽いサドルは振動吸収性が低くなります。私は重くてクッション性の高そうなモデルを選びました。
社名 | selle ITALIA (イタリア) |
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パーツ名 | MAX FLITE Gel Flow |
形状 | 穴あきアナトミック |
座面表面素材 | 通気性のあるフル・グレイン・レザー |
クッション素材 | 厚みの異なる数種類のシリコンゲル |
衝撃吸収機構 | レール後端のベース接合部のサスペンション機構, レール前端とベースの間のエラストマー, ベース内部のエラストマー |
レール素材 | 直径 7 mm のヴァナジウム・チタン合金 |
サドル長 | 290 mm |
サドル最大幅 | 146 mm, 実測 147 mm |
サドル厚さ | 60 mm |
公称重量 | 290 g |
実測重量 | 294 g |
送料込み購入価格 | hibike (ドイツ) で 58.74 ユーロ (6,000 円 くらい) (入手先一覧と製品サイト) |
ほとんどママチャリにしか乗ったことがない私に言わせればこの製品でもまだ硬いです。ただ、穴あきサドルだけあって会陰の部分に全く負担がないのはとても良いですね。その分、体との接触面積が減るので乗り心地が硬くなるのは仕方ないのかもしれません。
社名 | SQlab (ドイツ) |
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パーツ名 | 611 active JAPAN (12 cm) |
形状 | 階段状 (ステップド・デザイン) |
座面表面素材 | K18, Kevlar |
クッション素材 | Marathon Foam |
レール素材 | 中空チタン合金 |
サドル長 | 279 mm |
サドル幅 | 12,13,14,15 cm 公称値は座面から 1 cm 下がったところまでの幅 実測最大幅は 13.35 cm (12 cm モデル) |
製造 | 2012 年 8 月 |
公称重量 | 289 g (13 cm) |
実測重量 | 257.06 g (12 cm) + エラストマー (soft: 17.76 g, medium: 18.02 g, hard: 18.39 g) |
送料込み購入価格 | 日本で 7,486 円 (入手先一覧と製品サイト) |
[selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow には満足しているのですが,ドイツで SQlab の評判が良いので調べてみました。すると,SQlab はユーザーの座骨の幅や前傾姿勢によって,同じサドルに様々な幅のモデルを用意していることが分かりました。サドルの幅は下記の基準で選びます。
タイムトライアルやトライアスロン (背骨が水平) では,坐骨 + 0 cm,
レースのような前傾のきついロード (背骨約 10°) では,坐骨 + 1 cm,
標準的なロードバイクの姿勢 (背骨約 35°) では,坐骨 + 2 cm,
クロスバイクのような街乗り自転車 (背骨約 70°) では,坐骨 + 3 cm,
ママチャリのように背骨が垂直になる場合には,坐骨 + 4 cm
さらに SQlab のサドルには大きな特徴があります。座骨の当たる面と会陰の当たる面の高さが異なることです。座面が階段状になっており,サドルに穴を開けなくても会陰がサドルに接触しないような構造になっています。また,もう一つの特徴は active システムです。サドルがバネ付きサドルのように左右に傾くことで体の負担を和らげるシステムです。active システムは快適性を追及したモデルですのでレース用のモデルには採用されていないことが多いです。ただし,私はレース時にも快適なサドルに座りたいので,どうせならこの active システムを搭載した中では最もレース志向の 611 active が良いと思っていました。
私の座骨の幅を計測したところ 10 cm なので,私にとって最適な SQlab のサドルサイズは 11 cm ということになります。快適性をさらに増すなら 12 cm でも許容範囲内でしょう。しかし,これまでは active 付きのサドルで最も小さいサイズが 13 cm でした。東日本大震災後,数量限定ながら日本限定モデルが発売され 611 active に 12 cm というサイズが用意されることになりました。2014 年 1 月になり,これを入手しましたので,ここにサイズ・重量を報告します。なお,購入直後に染め Q で黒染めし,上記重量よりも 2.21 g 増えています。
その後,3 箇月ほど [SQlab] 611 active JAPAN (12 cm) を使ってみました。実に独特なサドルです。まず,お尻の前後位置がほぼ固定されます。ちょっと前乗りにしたり後ろ目にしたり変更させることが許されません。一箇所のみに限定されます。そこよりちょっとでもずれると大きく不快になります。ただ,お尻の位置をスイートスポットにピタリとはめなくてはならないという感覚は面白いものがあります。
2014 年 10 月,サドルを [SQlab] 611 active JAPAN (12 cm) から [selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow に戻しました。10 箇月ほど使用しました。active システムがあったとしても [selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow のほうが衝撃吸収性と振動吸収性が良かったからです。重量は後者のほうが 20 g ほど重い程度ですが快適性にはやや差がありました。[selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow は最初のサドルとしてはとても理想的なサドルだと思います。
しかし,[SQlab] 611 active JAPAN (12 cm) を使って分かったこともあります。サドルはお尻を前後にそれほど動かすべきではなく,ある程度一箇所に固定すべきこと。やはり,サドル後部の広がっているところに座骨を置かないと本来の快適性は得られないこと。これが分かってから [selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow に乗ると今まで以上の快適さが得られました。このサドルは快適なゾーンが広すぎて,大きく前乗りしてもそれほど不快にならないというのが,(スイートスポットを理解していれば) 良い所でもあり,(スイートスポットを理解していなければ) 悪い所でもあります。
更にもう一つ重要なことが分かりました。サドルにもセットバックがあるということです。セットバックというとシートポストのものと思い込んでいたのですが,実はサドルにもセットバックがありました。何とサドルによってスイートスポットの位置が異なるのです。[selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow はスイートスポットがかなり後ろにありますが,[SQlab] 611 active JAPAN (12 cm) はもっと前にあるのです。[selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow は太ももが長い人すなわち大柄な人向けのサドルです。[SQlab] 611 active JAPAN (12 cm) は小柄な日本人向けに製作されているのでしょうか,あるいはこれが標準的なサドルなのかもしれません。私のような小人族 (股下 74 cm) にとっては (特に大き目のフレームを使用していることもあって) [selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow はセットバックが大きすぎます。
なお,スイートスポットの場所は概してサドルの一番幅が大きい箇所にありますので簡単に見つけられます。目で見つけてからお尻で見つけてください。
そして,[selle ITALIA] MAX FLITE Gel Flow は私にはちょっとサドル幅が大きいようです。たまに引っかかるように感じます。これも [SQlab] 611 active JAPAN (12 cm) のおかげで分かったことです。
2014 年 11 月,もう少しセットバックが小さく,幅の小さい MAX FLITE Gel Flow はないかとサイクルモード (2012 年から毎年参加しています) で探してみました。そこで見つけたのが [selle ITALIA] Lady Small Gel Flow です。2013 年からスタートしたモデルのようです。幅は狭く,セットバックは小さく完璧です。ただ,クッションが MAX FLITE Gel Flow より 1.5 倍ぐらい厚いのでそこだけ気になります。早速,同月購入しました。当初は輸入しようと思ったのですが,黒田砲のせいで内外価格差がなくなっており,国内店舗で購入しました。
社名 | selle ITALIA (イタリア) |
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パーツ名 | Lady Small Gel Flow |
形状 | 穴あきアナトミック |
座面表面素材 | 通気性のあるフル・グレイン・レザー |
クッション素材 | 厚みの異なる数種類のシリコンゲル |
衝撃吸収機構 | あるらしいが,外観からは不明 |
レール素材 | 直径 7 mm の Manganese Tube |
サドル長 | 262 mm |
サドル最大幅 | 135 mm, 実測 139 mm |
サドル厚さ | 60 mm |
公称重量 | 270 g |
実測重量 | 278.8 g |
送料込み購入価格 | ごっつプライス (日本) で税込み 9,096 円,更にポイント 16 倍 (1,455 円分) |
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