昼寝用枕
素晴らしい枕を購入したのでここに報告します。ソフトプレン工業株式会社の「うつぶせお昼寝まくら」です。
何も考えずに机の上で寝てみてください。様々な苦痛が発生するはずです。その苦痛を取り除くことができるのがこの枕です。
私はほぼ毎日机の上で昼寝をします。昼寝じゃない日もありますが、とにかく机上で眠ります。今までは組んだ腕の上に頭を乗せて寝ていましたが、この方法にはいくつかの欠点があります。まず、腕の血流が著しく阻害され壊死するのじゃないかというくらいにしびれます。それから、机の角に胸を押し付けることになるため胸が痛みますし、赤いあとも残ります。
そこで、最近は六法等の厚い本の上にハンドタオルを置いてその上に頭を乗せ、机の角 (胸があたる部分) には 1.5 cm くらいの本を敷いていました。しかし、この方法も万全ではありません。
一切腕がしびれないのは良いのですが、首や背中に負担がかかるらしく、背中の筋肉にしばらく痛みが残ることがあります。ハンドタオルを敷いても六法は六法。硬すぎるのです。胸については、敷いた本のおかげで接触面積が広がり負担は減ります。しかし、痛みというほどではないにしろ不快感が残ります。
小さなクッションを使えばいいと思うかもしれませんが、それは罠です。昔、ビーズクッションが流行ったときに、雑誌の付録でついてきたものを試したことがあります。クッションに頭をうずめると呼吸ができないので必然的に首を左右どちらかに向ける必要があります。その姿勢は背中に大きな負担を強います。数日もすると背中に痛みが走るようになります。また、顔を背けることでまぶたに照明があたってしまい睡眠効率が下がります。同じ時間の睡眠であっても充足感が下がるのです。顔は真下に向けねばならないのであります。
そこで、「うつぶせお昼寝まくら」です。まず、形状が素晴らしい。真下を向いて寝ても十分に呼吸用の空間が確保されます。「寝ても」という表現は適切ではありませんでした。この製品は下を向いて寝るために作られているのです。
製作者は昼寝する人間の心理を分かっています。表層的な理解ではなく、真の意味で理解しています。「スポンジメーカーだから作ってみました。売れるといいなあ。」という打算的な作品ではありません。実際に、机の上で昼寝をして苦痛を感じ、それを除去するために作成されています。さもなければ、この形状にはならないでしょう。おそらく製作者は実際に毎日昼寝をしているのでしょう。私にはそれらがすぐに分かり、そして共感しました。この形状を見てすぐにカートに入れたことは言うまでもありません。この形状を目にすれば説明文など読む必要はありません。すべてはあの形状が語ってくれるからです。同時に、胸あてにちょうど良い形状の枕、「ちょっと寝お昼寝枕」も注文しました。
金曜夜に注文して、月曜に「木曜発送、金曜到着」という連絡がありました。到着は金曜午後だったので受け取れず、土曜に受け取りました。同じ金曜に英国に注文した CD が木曜に到着していることを考えると遅い。しかし、待ってください。この枕は受注生産なのです。こんな金額の製品を大量に生産して在庫を抱えて採算がとれるでしょうか。これだけ安いのです。受注生産が最適なスタイルであることは容易に想像できます。しかし、知人には「は? 全然安くないじゃん」と言われてしまいました。
はっきり言いましょう。この製品が高いと言う人は物の価値が分からない人間です。原材料だけがあれば製品が完成する訳ではありません。製品を製作する人間の労務費もかかります。日本人の人件費は安くありません。さらに、製造設備の減価償却費もかかります。販売にかかるコストも回収しなくてはならないし、資本コストも回収しなくてはなりません。なおかつ、この製品には圧倒的な付加価値があります。それを考えれば 2,980 円でもいいくらいです。それを 1,980 円に収めているのです。むしろ、良心的と言えるでしょう。
さて、届いた製品をよく見ると裏と表があることが分かります。中のスポンジは二層構造になっています。下部の約 4.2 cm は硬めのスポンジで、上部の約 1.8 cm は柔らかで肌あたりのいいスポンジです。
柔らかいスポンジを 6 cm にすればいいじゃないかと思うかもしれないが、いいアイデアではありません。柔らかいスポンジはへたります。しばらく使っていると反発力がなくなりつぶれてきてしまうのです。テンピュールの枕が良い例です。つぶれてしまえば、呼吸用の空間が狭くなり呼吸を妨げるかもしれません。
「うつぶせお昼寝まくら」は確かな土台のおかげで底付きを心配する必要は一切ありません。安心感すら感じます。表層部は数年でへたるかもしれませんが、土台部分のスポンジは十分な硬さを有しているので私が生きているうちにへたることはないでしょう。ただの昼寝好きに作れる構造ではありません。昼寝好きであってスポンジを熟知した人間でないと作れません。感服しました。
また、形も練られている広がってしまわないように紐がついているのす。いっそ O 字にしてしまえばとも思うが、その形状だとどこかに負担がかかってちぎれてしまうのでしょうか? いや、おそらく新鮮な空気を供給するために必要なのでしょう。物理的に呼吸できるだけの空間を確保するのみならず空気の供給まで考えられているのです。
「ちょっと寝お昼寝枕」も二層構造になっていますがこちらは土台部分のスポンジが昼寝用よりも柔らかい。胸の下に敷くと最後まで潰れます。だが、こちらは最後までつぶれてもそれほど問題ありません。胸が机から離れると不自然な姿勢になるし、そもそもこちらは呼吸の心配をする必要はないからです。
ただし、耐久性を考えると、「うつぶせお昼寝まくら」ほど硬い必要はないにしろ、もう少し土台部は硬くてもいいかもしれません。しばらく使えばへたるかもしれません。とは言っても毎日短時間しか使わないので一年から数年はもつでしょう。こちらは 700 円でもいいかもしれない。まぁ、国産だしこれくらいは我慢しましょう。
良いことばかりではありません。ほんの少しだけ残念なこともあります。「ちょっと寝お昼寝枕」がもう少し硬い方がいいことは既に述べました。問題はカバーです。何故か、「うつぶせお昼寝まくら」の黒い替えカバーは販売されていません。それから「ちょっと寝お昼寝枕」に黒いバージョンが売られていないのも残念です。そもそも、「ちょっと寝お昼寝枕」はカバーが交換できないのも難点です。
ただ、これらは机上で昼寝をする上での苦痛が全て取り除かれた後の贅沢な悩みです。購入を後悔する気はないし、もっと早く購入しておけば良かったとすら思っているくらいです。ソフトプレン工業株式会社にはとても感謝しています。
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