ヘッドフォン祭 2009 春
春のヘッドフォン祭 2009 に行ってきました。主な目的は STAX の SR-007A と 4070 の比較、および、Etymotic Research の ER-4S の遮音性を超える新型イヤホンがあらわれていないかの確認です。
SR-007A と 4070 の比較
まずは、SR-007A と 4070 の比較です。装着してまず感じたのは 4070 の装着感の悪さです。ゴムが伸びてしまっていました。おそらく長いこと試聴用として使われている機種なのでしょう。本体がかなり重いので伸びやすいということもあるのかもしれません。SR-007A は割と新しい製品であるためかゴムは締まっていて装着感は良好でした。
肝心な音質の違いですが、はっきり言って分かりませんでした。あの騒音環境では分かりっこありません。SR-007A は遮音性がほぼ皆無なので、密閉型の 4070 と比較するとかなり不利になってしまいます。購入して自宅で比べるか STAX 本社に行かないと無理でしょう。わざわざ CD まで持って行ったのですが……。
遮音性の高いイヤホン
ER-4S を超える遮音性を持つイヤホンは見つかりませんでした。依然として ER-4S の遮音性はトップです。ただ、Klipsch (クリプシュ) の Image の遮音性と装着感のバランスには驚かされました。ER-4S は装着感が極めて悪い (むしろ痛い) のですが、Klipsch の Image の装着感は非常に良好でした。この装着感は特筆に値するものがあります。片手でスッと装着できるのに奥の奥まで挿入できるのです。それでいて快適です。これは素晴らしい。
遮音性も ER-4S には及ばないもののかなりのものです。遮音性が最大で -26 dB という記述がありましたが、おそらくこれは誤りでしょう。最大ではなく平均だと思います。NRR が最大で 26 dB というなら分かりますが遮音性が最大で -26 dB ならかなり遮音性は低いことになります。遮音性については 耳栓のいろは を参照してください。現在、ER-4S は円高の影響でかなり安くなっています。最新の価格は サウンドハウスの商品ページ をチェックしてください。
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- Klipsch イヤホン Image X10
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遮音性について
私がイヤホンに求める最大のものは遮音性です。その次に音質です。良い音で音楽を聞くためには必要なことはおおざっぱに言えば 2 つあると思います。静寂と機器の優秀さ (音質) です。
人間の耳は優秀です。騒音下で会話していても相手の声を聞き取ることができます。これは人間の脳が騒音を基準にとり、相手の声が騒音のパターンからどれだけ乖離しているかを計算しているからだと思います。音楽を聴く際も人間の耳はこれと同じことをしています。ホワイトノイズが気にならなくなったりするというのもこれです。
ただ、この耳の騒音除去機能にも限界があります。集中力によって機能にムラが出ますし、音楽の方を除去して騒音の方に集中してしまうということもあります。さらに、騒音が音楽と混ざって音そのものが濁っている場合には除去できません。また、騒音のパターンが一定でない場合には除去することがかなり難しくなります。
どんなに優秀な機材で最高の音を出してもそこに騒音が加われば全てが壊れてしまいます。音楽が静寂という基準からどれだけ乖離しているかを楽しむためには、やはり、騒音そのものを除去する必要があります。
そこで重要になってくるのが遮音性です。ライブ会場でのモニター用に使われていた ER-4S は NRR 32 dB (現在はこのスペックはカタログから除かれてしまっています) という耳栓並みの遮音性を誇ります。また、モニターですので正確性もかなり高いのです。
ノイズの影響を簡単に減らす方法、すなわち、簡単に良い音を享受する方法があります。音量をあげることです。騒音の音量が一定で音楽の音量が増えれば、それだけ音楽は明瞭に聞こえます。人間は経験的にこの事実を知っているので騒音下では音量を上げてしまいがちです。
遮音性の低いイヤホンと遮音性の高いイヤホン。電車内で同じくらいに聞こえるように音量を調整します。両者を静かな環境にもっていって比べるとその音量はかなり違っています。音量が違えば耳に与えるダメージも異なります。同じくらいに聞こえていても耳に与えるダメージは異なってしまうのです。
良い音を楽しむためにも難聴を予防するためにもイヤホンの遮音性は重要です。
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