戦争に行ったキノコ
『戦争に行ったキノコ』という歌をご存知でしょうか?
作曲家ストラヴィンスキーのデビュー作ですが日本では (多分) 音源が手に入らない秘曲で海外でも中々音源は見つかりません。そのためこの曲の音源を所有する人は国内に 100 人もいないのではないでしょうか。Google で検索してもほとんどヒットせず、かろうじて「この曲を聴くと背徳的で官能的な夢を見てしまう」という情報が得られるのみです。
この曲は日露戦争中の 1904 年に発刊された歌曲であり、時代背景からしても日露戦争に向かうキノコについての歌であったと思われます。
曲名は
- How the mushroom went to war (キノコはいかに戦争に行ったのか)
- Mushrooms went to war (戦争に行ったキノコ)
の 2 種類が流通しています。
時代背景からも曲名からも大変気になる歌曲ですが幸運にも私は歌詞と音源を手にすることができたので、ここに歌詞を翻訳してみたいと思います。(著作権に配慮して日本語訳のみ) おそらく世界初の試みでしょう。
さぁ、キノコはいかにして日本人と戦ったのか……!?
『戦争に行ったキノコ』
キノコは日本人と戦ってませんね。勇猛果敢に日本人と戦い、正々堂々食い散らかされるキノコたちの勇姿を垣間見られるかと思ったのですが残念です。
キノコは臆病者の比喩表現で戦争に向かう勇敢なロシア人をカブト虫に見立てているのでしょう。歌詞の内容からして軍歌ではないでしょうがロシア人を鼓舞する意図があったものと思われます。
しかし、この曲の刊行の翌年にロシア第一革命が勃発。しかも戦局も極めて不利だったため帝政ロシアは講和勧告を受諾せざるを得ず、日露両国はポーツマス条約に調印します。日本にとってはあまり良い講和条約ではありませんでしたが、これはまたの機会に。
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