DP1 のその後について
遅い遅いと思っていたらこのような状況だったようです。
要約するともっと早い時期に出荷することもできたが「最高画質」の実現のために時間をかけているということです。この文章を読んだ第一印象として誠実な企業なんだなと感心しました。
はっきり言って、何の音沙汰もない sigma にはずっとイライラさせられてきました。だが 2007 年中の出荷が絶望的になったとはいえ、「最高画質」を実現するために sigma が奮闘しているのだと思えば慰めになります。中途半端なものを出されるよりは遙かにいいでしょう。これは CPU メーカーの AMD の置かれている状況と似ているかもしれません。
DP1 は sigma が開発しているコンパクトカメラで、革新的な技術の搭載により比類のない画質をもたらすことが期待されているカメラです。
その革新的な技術とは Foveon 社の X3 ダイレクトイメージセンサーです。この撮像素子はなんと一つのセルで RGB の三色をとらえることができます。通常のデジカメに搭載されている撮像素子は一つの素子で RGB のうちどれか一つしか取り込めません。そのため、そのままでは色があべこべなモザイク状の写真になってしまいます。
そこで「ここは周りから判断するときっとこんな色だろう」という補間処理が必要になります。補間処理はあくまでも予想なので絶対に元の色は再現できません。どうしてもありえない色が発生してしまったりします。偽色です。各社アルゴリズムを開発していますが MP3 で失われた高域を補間するようなものです。
浜﨑あゆみさんなどが「映像エンジン何ちゃら」とかって CM をしてるのはこうした補間処理をメインにこなすプロセッサーです。巷に溢れるデジタルカメラは全てこうした補完を必要とします。この記事をご覧のあなたのデジカメも例外ではありません。しかし、Foveon X3 では 1 つのセルでありのままの色をとらえることができるので、そもそもこうした補間は必要ありません。
百聞は一見にしかず。写真を実際に見てみる方が早いです。Foveon X3 は既に SIGMA の一眼レフカメラには採用されており同社サイトにいくつかの画像サンプルが載せられているので興味のある方は参照してください。またカメラを専門に扱うサイトにも画像サンプルがあげられています。
特に暗部で偽色が発生していない点に注目していただきたいと思います。こうした写真は従来の撮像素子ではよほど解像度をあげないと得られません。すなわち低い解像度でも高い解像度の画像に対抗できるということで原理的にコストパフォーマンスが高いのです。
また、巨大センサーを使用しながらも解像度は低いため 1 つのセルがとても大きくなり豊かな階調表現をも実現しています。
じゃあ、その Foveon X3 とやらを搭載した SD14 を買えよ、という話です。私も買いたいのです。しかし、SD14 には sigma マウントのレンズしか使えないのです。ここが大きな参入障壁です。恐らく、3 層撮像素子は Canon も開発していることだからそれを待ちたいところです。
一方、コンパクトカメラならそもそもレンズは交換できないから何の問題もありません。購入を妨げる物が何もありません。買うしかないのです。sigma さん、早く発売しておくれ。
おそらく 10 万ちょっとくらいで出してくるでしょう。15 万じゃ売れない。定価 12,3 万で実売 98,000 円というのが理想です。是非とも sigma さんにはがんばってもらいたいものです。
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